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長男が誘拐された。

下の家の壁沿いに這わせた地植えゴーヤは、ベランダの貧弱な鉢植えと違って夏の盛りには鬱蒼としていたが、最近は株そのものに元気が無い。
陽があまり射さなくて寒いのだろう。
今年植えた初めての地植え。
長男が誘拐された。_e0058443_12354490.jpg


三日前の段階で二十三センチあり、このままでは三十センチにも届きそうな勢いの長男を筆頭に、次男三男四男五男と、秋も深まりつつあるこの時期にようやく実り始めた。
そんな中、手塩にかけて育てた、まさに伸び盛りの長男が誘拐された。






どんどん寒くなる一方だから無事に全員成人して欲しいものだ・・・、と思っていた矢先の事だ。
ゴーヤ栽培に挑戦している人達に写真を撮って自慢してやろうとしたら、文字通り跡形も無く長男が消えていたのだ。

本当に頭が真っ白になった。

俺のあまりの落胆ぶりに、妻がサンダルを履いて出て行く。
誰が、何時、何の為に。
もちろん食う為だろうが・・・、カラスが食べるものでもあるまい。
そんな事が頭の中を巡り、漫然と時は過ぎて行くばかりだ。
だがしばらくすると妻が何処から連れ帰ったのか、長男を抱いて帰って来た。
少しぐったりした様子。

俺は口を開けたまま声も出ない状態で長男を受け取った。
心無しか長男は青ざめているように見える。
まぁ、淡色野菜だからではあるが。









誘拐犯は義母だった。

愉快犯じゃない。
正直、不愉快だったぞ。

まぁ、俺が植えたとはいえ、義母は義母で毎日水やりをし手間ひま掛けて育てていたつもりだったのだ。
刈り取られた時点で、義母の仕業という疑念が浮かんだのは事実だ。
そうは思いたくはなかったがそうじゃないかと思っていたし、また植えたのが義母の土地だから仕方あるまい。
ゴーヤは元々収穫したらあげるつもりだったし、それもそうだが何が残念て、多分まだ収穫には最低でも三日は早い筈。まだまだ大きく成長し、どんどん緑になる予定だったのだ。
せめて一言、いや、せめて写真を一枚だけでも撮ってからにして欲しかった・・・。
妻は実家の台所に軟禁されていた我が長男坊を発見し、奪還してきたという。

まだ実が硬く、青々としないまま無惨にも刈り取られてしまった長男、瓜ノ介。
名前は今付けた。そして瓜ノ介は糠床に。

妻が問うと、義母は素直に謝ったらしい。
大きくなり過ぎて収穫時機を逃してはマズいと思ったそうだ。

「でもまだちょっと早過ぎたみたい」

そう言った義母が残した、長男の尻辺りの噛み跡が痛々しい。
長男が誘拐された。_e0058443_12372591.jpg





写真は鉢植えで収穫したゴーヤ。
こうも違うかという、寸詰まり体型だ。
長男が誘拐された。_e0058443_1322497.jpg






こちらは地植えのゴーヤの隣ですくすくと素直に育ったきゅうり『夏すずみ』だ。
長男が誘拐された。_e0058443_1345540.jpg

我が家のひねくれ鉢植えきゅうりとは育ちが違うな。
これが本来の正しいきゅうりの姿だろう。
ひょうたん型になったり曲がりくねるのは肥料不足から来るらしいが。


写真を撮り終えたのでゴーヤ同様、地植えのきゅうりも妻の実家で収穫してくれて構わない。
義母には「あと二日経ったら丁度良い状態で収穫出来る」と言うつもりだったが、写真を撮った次の朝にはもう刈り取られていた。

収穫の喜びというものは、人の理性を失わせるものらしい。
by angelwhisker | 2008-10-10 13:12 | 栽培

ヨッスィーが凸凹猫コンビ、タビーとチャイの可笑しい生活を綴る。路地裏の猫達に幸せを届ける『マタタビ至福団』の本部。


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