実家の旅行で平家落人の湯、湯西川温泉に行ってきた。

今回妻は行けないのでこれ幸いと別に車を借りて、実家の家族より一足先に行って川へ。
夜中に到着し、仮眠。
嬉しさに踊りそうだ。
久々の渓流釣りに専念出来るではないか。

そういえば先日、ペルセウス座流星群を見ようと自宅玄関先で空を見上げた。　
一時間くらい居たが、流れ星をハッキリと目にしたのは二つぐらいだろうか。
空は快晴なのに、全て数えることが出来そうなくらい星が少ない。
あまりにも東京の夜は明るいのだ。
「智恵子は東京に空が無いといふ・・・」
いつも高村光太郎の詩を思い出してしまう。
それを話題にしながら、仕方無くあれが白鳥座だのカシオペアがこれだのと話をしていたのだった。

で、湯西川の夜空だ。
予想はしていたものの、あまりの星の多さに驚愕した。
真上に天の川。
先日の白鳥座やカシオペアを捜したのだが、見付からない。
酒を呑み始めていた所為もあるのだろうが、明るい星が多過ぎて区別が付かないのだ。
山に挟まれた谷だから標となる星が見付からないのも一因だとは思う。
冷静になって地図で方角を確認したが、やはりよく解らない。
そうこうしている間に、はっきりとした流れ星を十以上は数えただろうか。
ペルセウス座流星群って一体・・・。
結局白鳥座の見当は付いたものの、カシオペアと共に確信が持てないままに眠気に負けてしまった。




翌朝、待ちに待った釣りだ。




素晴らしい渓相に心躍る。
心して釣りをしなければ。
何故なら、この辺りは近いうちにダムの底に沈む予定なのだ。
とても残念だ。
数時間後・・・、毛針に全く反応無し。
手を替え品を替え竿を振り続けたが、気配無し。
飛んでいるのはトンボとアブにブヨばかり。
俺は釣りに関しては節操がないので、何のためらいも無くルアーに変更。
途中、土産物屋が開店していたので日釣り券を買いたい旨申し出ると、店主は驚いて怪訝な顔をした。
「あれ、何処やったべなぁ」と呟いて、「ミミズが釣れているらしい」というような事を朗らかに言っていたが、釣りに詳しくなさそうだったし、どうも全くデタラメのような気がした。
チャラ瀬から淵、落ち込み、色々狙うがなかなか出て来ない。

途中数人の釣り人と会話したが、皆釣れてないし、アブが凄くて釣りにならないと言っていた。
俺にはそう集らない。蚊取り線香さまさまだ。



河原を歩いていたら芸術作品を見付けた。


大きなカジカガエルが驚いて、川に飛び込み岩の間に身を潜める。


結局、ルアーで美しい山女魚と幼い岩魚を数匹釣った。


釣れて釣れて仕方無い筈だったのに・・・。
おにぎりだけ買って『七輪で独り塩焼き大会』の予定だったが、だいぶアテが外れた。

宿で家族と合流。



まぁ、きれいな山女魚が一匹釣れたから良しとしよう。


帰り、ちょっと眠たくなったのでパーキングエリアで休憩を取る事にした。
すると・・・、あっ！


あのレギュラーコーヒー自動販売機だ（無事帰って参りました。を参照の事）。

あまりの嬉しさに、動画で撮影。
この自販機は、コーヒを挽いてドリップし客に提供するまでをモニターで生中継してくれる。
それを嬉しそうに撮影する姿は、周囲の注目の的になっていたがお構いなしだ。
知っている人にはどうってことないし、知らなくて見て、だからどうだと言う事でもない。
これを撮影出来た事で、個人的に今回の旅は満足いくものになった。
それでいいのだ。



自販機の中継を見る。