第七回マタタビ至福団活動報告

いつの間にかすっかり真冬である。

野良猫には厳しい季節だ。

仕事場の裏の駐車場に住んでいる猫達は、顔ぶれが少しずつ入れ換わりながらも逞しく生きている。
ここは以前から夕暮れになると餌遣りおばさんが通っていた。
更に最近は猫達が食べ切るだけドライフードを与え、残った分は持ち帰るという中年女性も向かいのマンションに住み始めたので、食うには困らない。
ここの住み心地は悪くなさそうだ。
野良猫はこの狭い駐車場を中心としたエリアに、現在7匹程いるだろうか。
しゃがんで見回したところ、とりあえず車の下にはいない。

ふと気配を感じて見上げると、2匹の猫が揃って塀の上から何かを凝視しているではないか。
キジ虎の『ケンケン』に、片目の茶虎『正宗』だ。

・・・ちなみに、この2匹の名前はキジの鳴き声と、独眼から、俺が勝手にそう呼んでいるだけである。

何だ何だ?

カメラを向けシャッターを切る。
と同時に、正宗から唸り声が上がった。
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何だ何だ、何なんだ?

2匹の視線は一点に集中している。
急いで塀の反対のアパート側に回った。





e0058443_20224873.jpg

黒猫が因縁を付けられていた。

この界隈で初めて見る黒猫だ。
見ていると、戦う事もせずにひたすら逃げ場を捜している。
どうやら立場は最低ランクに位置付けされるようである。
e0058443_20243263.jpg

結局、黒猫は塀の上の2匹に奥へ奥へと追い詰められて、アパートの敷地の奥に消えていった。


騒然とした空気も治まり、しばらくするとマンションの脇から別の茶虎が顔を出した。
塀の上で徒党を組んでいる茶虎の正宗とは兄弟と思われる。
e0058443_2032393.jpg

『サンノン』という名前だ。

メスかもしれないが、とりあえずここではそんな事は構わない。
初めて見た時、そのあどけない顔立ちがねこのいる生活の箱入り猫『シノン』に似ていると思ったのだ。

体が小さく『シ』までいっていないという理由で『サンノン』と命名した。

そのサンノンが警戒しながらも俺に興味を持ったので、かがみ込んでマタタビを準備する。

と、蓋を開けた瞬間に手が滑って

マタタビの入った瓶を落としてしまった。

幸い粉が少しこぼれただけで瓶は割れずに済んだ。
しかし驚いたサンノンは飛び退き、離れたところでじっとこちらの様子を窺っている。

仕方なくマタタビ粉をサンノンの前に撒き、少し離れたところに腰を据えて様子を見ることにした。

やがてサンノンは警戒を解きながら近付き、至福の時を迎える。
面白かったのは、気が付くとサンノンの兄弟らしき正宗がおこぼれに預かっていた事だ。

このひとときを共有する為にマタタビ至福団は活動している。
これでいいのだ。

マタタビの瓶の落とし甲斐があった、というものだ。

第七回マタタビ至福団活動記録を見る
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by angelwhisker | 2005-12-28 22:28 | マタタビ至福団

ヨッスィーが凸凹猫コンビ、タビーとチャイの可笑しい生活を綴る。路地裏の猫達に幸せを届ける『マタタビ至福団』の本部。


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